小児科で対応する疾患

「熱がある」「咳が出る」でも、年齢や体力、感染している病原体によって対応は変わるため、自己判断で長引かせず、気になる症状がありましたら早めにご相談ください。

風邪

風邪は、お子様が何度もかかる最も身近な感染症です。
ほとんどは自然に治る一方、お子様の場合は大人より熱が高く出やすく、ぐったりした様子から「ただの風邪かどうか」の判断に迷うことが多いのが厄介な点です。

症状

風邪を見分ける手がかりは、症状が出てくる順番にあります。

最初の数日はくしゃみと水っぽい鼻水から始まり、次にのどの痛みや咳、その後に発熱と進むのが典型的な流れです。鼻水も最初は透明でさらさらしていたものが、徐々に粘り気のある黄色いものに変わっていきます。

逆に、最初から高熱が出る、咳が異常に強い、いつもと違うぐったり感がある場合は、インフルエンザや細菌感染など別の病気の可能性も視野に入ります。

治療

ウイルスが原因となっているため抗生物質は効果がなく、症状を和らげる対症療法が主な治療法となります。

38℃以上の高熱の場合は、全身の様子を見て、熱が高くてつらそうな時や食事や睡眠がとれない時など必要に応じて鎮痛剤を使用していきます。

インフルエンザ

インフルエンザの怖さは、症状の強さよりも合併症のリスクにあります。
お子様では熱性けいれんやインフルエンザ脳症が起こることがあり、ただの風邪と区別して扱うべき病気です。
流行する型が年ごとに変わるため、毎年かかる可能性があります。

症状

風邪との見分け方は、症状の出方の急激さです。
前触れなく悪寒が走り、続いて38℃以上の高熱、頭痛、全身のだるさが一気にあらわれます。咳やのどの痛みなどの呼吸器症状を伴うこともあります。

熱は数日で下がるケースが多いものの、一度下がった後に再上昇したり、咳だけが長く残ったりするので注意が必要です。

治療

発熱後48時間以内の場合は、抗インフルエンザ薬を服用し、発熱期間の短縮したり重症化を予防します。
合併症(肺炎や脳症など)の早期発見・対応にも注意が必要です。

咳や咽頭痛などの症状が強い場合には、症状を緩和する内服薬やうがい薬を処方します。また、高熱のため汗をかきやすくなるので、水分補給をしっかり行うことも大切です。

アデノウイルス感染症

アデノウイルス感染症は、定まった症状がない病気です。感染した部位によって、風邪のような呼吸器症状にも、目の充血と目やにを起こす結膜炎にも、嘔吐や下痢の胃腸炎にもなります。
感染力が強く、家庭や園・学校で広がりやすいため、お子様の間で流行することも珍しくありません。

症状

ウイルス性のかぜの一種で、39~40度の高熱が4~5日ほど続く・扁桃腺の腫れやのどの痛み・咳や鼻水・目の充血や目やに・下痢や嘔吐など感染した血清型によってさまざまな症状があらわれます。

プール熱・流行性角結膜炎もアデノウイルスの感染によるもので、感染力が強いため感染予防が必要です。

治療

39〜40度の熱が数日続く、扁桃腺の腫れ、のどの痛み、咳や鼻水、目の充血や目やに、嘔吐や下痢など、感染した部位によってさまざまな症状が組み合わさってあらわれます。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は、長く続く咳が最大の特徴の感染症です。学童期のお子様に多く、軽症なら発熱や軽い咳で自然に治ることもありますが、重症化すると肺炎を起こします。
咳が何週間も止まらない場合、この病気の可能性があります。

症状

発熱、頭痛、倦怠感とともに咳が始まり、徐々に悪化して昼夜を問わず出るようになります。
他の症状が落ち着いた後も、咳だけが数週間続くことも珍しくありません。

熱の出方には幅があり、ほぼ出ない場合から高熱が続く場合まで個人差が大きい病気です。

菌の増殖が遅いため、感染してから症状が出るまで時間がかかります。

治療

マイコプラズマ肺炎に効果があるマクロライド抗生物質を服用します。
適切な抗生物質を投与すると、少しずつ発熱や倦怠感などの症状落ち着いていきますが、近年マクロライド系耐性菌も増加しているため、咳以外の症状が緩和しない場合は再度ご相談ください。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎は、嘔吐・下痢・腹痛・発熱が前触れなく一気に始まるのが特徴です。
元気に遊んでいたお子様が急に吐き出すといった経過で受診される方が多く、家族内で次々と感染が広がることもあります。

症状

ウイルス性と細菌性に分かれますが、嘔吐・下痢・発熱という共通の症状があるため、まとめて感染性胃腸炎と呼ばれます。ウイルス性はノロウイルスやロタウイルスが代表で、人から人へ感染が広がります。
細菌性はサルモネラ菌などが原因で、汚染された食品を通じて体内に入ります。秋から冬にかけて流行する傾向があります。

治療

主な治療は、脱水を防ぎながら自然回復を待つ対症療法になります。症状に応じて、整腸剤や吐気止め・解熱剤・抗生物質などを処方します。
細菌やウイルスの排出のために止痢剤(下痢止め)は使用しないことが多いです。

症状が強く水分摂取が困難な場合は、点滴を行うこともあります。感染性胃腸炎は体内の水分が多く失われて脱水を起こしやすいため、少量ずつ水分補給をして脱水を防ぐことが大切です。

溶連菌感染症

溶連菌感染症は、のどの痛みと発熱が中心の病気で、お子様ののどの痛みの原因として頻度の高い病気の一つです。
風邪との見分け方は症状の組み合わせで、咳や鼻水が出ない点が手がかりとなります。

症状

発熱とのどの痛み・腫れが代表的な症状です。
(※ただし3歳未満のお子様は高熱が出にくい傾向があります)

ほかにも舌の表面にイチゴのような赤いぶつぶつが出るイチゴ舌、手足や体幹に現れる細かい赤い発疹、頭痛、リンパ節の腫れ、腹痛や嘔吐を伴うこともあります。

治療

抗生物質を10日間程度服用します。服用開始後2~3日程度で解熱し、のどの痛みも和らいできます。

症状が治まったからといって抗生剤の服用を中止すると、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの重篤な合併症を起こすおそれがあるため、症状が治まった後も指示通りに服用を継続することが大切です。

喘息発作

小児喘息発作とは、気道に慢性的な炎症があるお子様が、風邪やアレルギーなどをきっかけに急に呼吸が苦しくなる状態です。気道が狭くなることで、息がしづらくなります。早めの対応により、多くは改善が期待できます。

症状

喘息発作では、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴)が聞こえるのが特徴です。咳が止まらなくなったり、夜間や早朝に咳き込んだりすることもあります。
息を吐くときに苦しそうにし、胸やお腹を大きく動かして呼吸する様子がみられることがあります。

重症の場合は、顔色が悪くなったり、会話や食事が難しくなることもあります。

治療

発作時には、気管支を広げる吸入薬(気管支拡張薬)を使用します。症状の程度に応じて、吸入ステロイド薬や内服薬を併用することもあります。呼吸状態が不安定な場合には、医療機関でのネブライザー吸入や酸素投与を行います。

重症例では点滴治療や入院管理が必要になることもあります。発作を繰り返さないためには、日頃からの予防治療と定期的な受診が大切です。

アレルギー性疾患

アレルギーは、体を異物から守る免疫が、本来害のないものにまで過剰に反応する状態です。種類は複数あり、お子様ご本人だけでなくご家族の生活にも負担が及ぶ場合があります。
反応の出方は関与するアレルゲンと体質によって変わり、鼻水、くしゃみ、皮膚のかゆみや湿疹、息苦しさなど多岐にわたるのが特徴です。
日常生活に支障をきたすほど症状が強いお子様もいれば、季節限定で症状が出るお子様もいます。

気管支喘息

気管支に慢性的な炎症が起こり、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音、止まらない咳、息苦しさを繰り返す病気です。
お子様の場合、ダニなどのアレルゲンへの免疫反応がきっかけとなることが多く、夜間や早朝に症状が出やすいため、睡眠への影響も小さくありません。
基本的な治療方針としては、発作時に気管支を広げるお薬と、普段から炎症を抑えるお薬を処方します。

アトピー性皮膚炎

皮膚のバリア機能が低下し、湿疹やかゆみが慢性的に繰り返される病気です。
皮脂膜が薄くなって角層が乾燥すると、すき間からアレルゲンが侵入して炎症が起こり、かゆみが生じます。
症状は皮膚の落屑、赤み、ジクジクと湿った状態など幅広く現れます。治療の柱は毎日の保湿と、炎症を抑えるお薬の塗布です。

アレルギー性鼻炎・花粉症

ダニや花粉といったアレルゲンに反応して、くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりが起こる病気です。
スギ花粉のような季節性のものと、ダニのように通年型のものがあります。
季節性は花粉の飛散開始前から、通年性は症状の出ている期間に継続して使用することで重さを抑えられます。

CHECK!

お子様の症状でご不安な場合は

こちらに掲載している内容は、一般的な症状の目安となります。
お子様の体調や症状には個人差がありますので、少しでもご不安な点がございましたら、お気軽に当クリニックまでお問い合わせください。

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